わたしの中の厳しい私(思考・インナーペアレントについて)
「こんなこと位で腹を立てたらおかしい」
「これくらいで頑張っているとはいえないよね」
「普通はみんなこうするよ」
「もっとちゃんとしたら?」
「なんでいつも失敗するの」
「ほかの人はよくできるのに」
・・・・・・
いつも耳元で、
何かするたびに何度も何度も
何度も何度も!
こんなことを言う誰かがいたら
どうですか。
相当イヤですよね。わたしはイヤです。
ムカついて言い返すか、
元気をなくすか、
あるいは、面倒だな~と思って
黙って距離をおいたりする人も
いるかもしれません。
でもいくらその人のもとを去ったとしても、
死ぬまでしつこくついてくる存在だとしたら。
そう、ほかならぬ自分自身が
心の中で
こんな言葉を自分にかけているとしたら。
そういうことって
誰にでもあることかもしれません。
ほとんど無意識なので、
かけていることにも気が付きにくいかも。
この脳内の厳しい声の存在は、
「インナーチャイルド(内なる子)」に対して
「インナーペアレント(内なる親)」と
呼ばれることもあります。
インナーチャイルドを
主に「本音」「気持ち」と仮定すると、
インナーペアレントのほうは
「自分を幸せにしない思考」と
分類していいかもしれません。
このインナーペアレント、
つまり「心の中にいる主に批判的な大人」が
強力に内側に君臨していると
気が付かないうちに
自分を追い詰めたり
自由を制限してしまったり
することもあります。
誰かが強制的にそうしたわけではないのに、
自分でそうしてしまう。
もどかしいですよね。
自分を苦しめたいわけじゃないのに!
幸せに生きたいのに!
そんなインナーペアレントは
どうしてできてしまうんでしょう。
それは、最初は
自分を守るため、
助けるため、
生き延びるためにできたんですよね。
多くはご両親、
祖父母等の親戚や
何かを教わった先生など
子どもの頃に接した大人の影響を
大きく受けながら
できてしまいがちです。
子どものうちは、
両親や身近な大人は
世界そのもの、
神様のような感じに思っても当然ですから
自分にとって合うものでも
合わないものでも
その世界の決まりやしきたりを
身につけたほうが
安全に、平和に生きていけます。
それを身につけることで、
自分が愛されたり、
認められたり、
その世界で生きることを
保証してくれたかもしれません。
だから、
その思考信条を受け入れ、
無意識に自分に取り入れたことを
責めることはしなくてもいいんですね。
むしろ、命を守ってくれたものですから。
(こんな親のようには絶対ならない!
と思っていても
そうなってしまうことがあるのは
無意識に何かを取り入れたのが
理由のひとつであるかもしれませんね)
(そして「インナーペアレント」と言っても
「ご自身の親」そのものや
親御さんの思考そのものを
指すわけではありません)
でも、今はどうですか。
大人になった今、
それが自分にとって
役立っていると感じるものもあれば
それを持ち続けている事で
心のエネルギーが減って
元気をなくしてしまったり
心に溜まった鬱憤を
関係ない人にぶつけてしまったりなど
どうも自分を幸せにしていない気がする…
望まないことが起きてる気がする…
と感じるものがあるなら、
手放すのも、持ち続けるのも、もう自由です。
インナーチャイルドを癒して
自分で育てることが可能なように
小さい頃に影響を受けて
今まで引き継いでしまった
自分に合わない
自分を幸せにしない
「インナーペアレント」だって、
今の大人の自分が
育てなおすことができるんです。
小さい頃、大人に影響を受けた
その「世界」を
大人の自分であらたに創ることだってできます。
大人って、なんて自由!!
もし、もう自分なりの
世界を創ってもいいかなと思ったら
どういう思考、
言葉かけを自分がしているかに
気が付くことが第一歩かと思います。
気が付きやすいタイミングは
「不快な気分になった時」。
ムカっとしたり、
泣きたくなったり、
ガッカリしたり、
もうイヤだなあ~と
ため息をつきたくなった時に
心の中でどんな会話(一方的な声の場合も…)
が繰り広げられているのか
ほんの少し気にしてみると
いいと思います。
できればスマホのメモなどに
書き出してみると可視化されて
あとからでも
気が付きやすいかも。
たとえ「批判的な声」が
わからなくても
溜まったエネルギーを出したり
「そうだよね、こう思ってるよね」と
自分で気持ちを受け止めるだけでも
すっきりして、
楽に自由になれる可能性もありますね。
そうそう、この
「そうだね」
「こう思うよね」と言う存在も
ペアレント(親)的だと思いませんか。
インナーペアレントは、
批判的な側面や
幸せにしない思考の側面
だけを指すこともあれば
こういった
受容的で、ケアが得意で
子どもを慈しみ育てるような面もあると
わたしは思うんです。
(さらに、
思考を使って希望を叶える側面や
脅威から守る強い側面など、
いろいろほかにもあると思います)
自分の気持ちや本音を
どう扱うか、受け止めるか、
つまり、どういう
「ペアレント的態度」で
「チャイルド」に接するのかはもう、
大人の自分次第で自由です。
心の中の「チャイルド」から
心の中の「ペアレント」の姿勢が
問われている、とも言えるのかも。
そういう意味でも、インナーチャイルドは
ただの無力な
かわいそうな
傷ついた子、ではないんですね。
心強い、
忍耐強い、
自分のペアレント的側面を
成長させてくれもする
自分の世界を創るヒントをくれる
自分の一番の味方なのかもしれませんね。
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